31年目の奇跡


家族揃って応援しているものが一つある。
それはプロ野球球団のロッテだ。
27年生きてきて2年前に初めてロッテが優勝(プレーオフにて)した。
小学校の時から応援してきたが毎年5月までは好調な時もあったがその後はなかなか
勝てない。翌年の構想が早い段階から我が家の話しの種になっていた。
閑古鳥がなく川崎球場は今は昔!新生ロッテは変わった。
我が家がロッテを応援し出したのは50年程前からか?_毎日オリオンズ時代に
毎日新聞をとっていたことがきっかけのようだ。
 そして今年はまだ33年間していないリーグ優勝に向け好発進中。
今年こそパリーグの真の覇者になるべく新生ロッテはつき進んでいる。
今日は31年ぶりに奇跡的に日本一に導いたバレンタイン監督のインタビューを掲載します。ぜひ読んで下さい。

すべての人にリスペクトの心を!
 リスペクト、それは僕のいちばん好きな言葉。たぶんどの言語でも同じ定義を持つ言葉だと思うのですが、『リスペクト=敬意』は、人生で、仕事で、何かをするうえで、最も大切なことです。なぜなら、それはリスペクトという心の動きは自分に返ってくるものだからです。
僕が2004年にふたたびマリーンズに戻ったとき、改善すべき問題は山積みでしたが、それでも僕はその時のチームにいちばん足りないものは、『リスペクト』の心だと感じました。チームというものは、選手やスタッフという立場を越えて、メンバー全員の間にリスペクトがなければ成り立ちません。ハートなしに、組織の力で強制的にひとつにまとめようとしても無理。たとえ一瞬まとまったように見えたとしても、時間が経つにつれ、必ずほころびが出てくるのです。
自分達は出来ると思わせる!
 マリーンズの監督に就任当初、「なぜ、個人の技量を磨く時間を多くしないのか?」と問われ続けたとき、それでも僕はチームに『信念』を植えつけることによりパワーを注ぎました。それは
 自分たちは『うまい』という信念
 野球を楽しむことができるという信念
 最後には自分たちは勝てるという信念
長い間『負ける』ことを経験してきた集団に、プライドの注入をしたのです。これは野球チームの選手やフロントに限らず、どんな職場でどんな仕事をする人にもマスト。自分にプライドがある人は、他者をリスペクトし、他者のプライドを尊重することができます。それが他者からの敬意につながる。だから、自分をリスペクトするということは、少なくとも組織のリーダーとして人の上に立つ人には絶対に必要なことだと思います。
人が変われば組織が変わる!
 さらに僕はオーナーから選手・スタッフまで、千葉ロッテマリーンズに関わるすべての人たちに誇りを持ってもらいたかった。そのために、まず自らがメンバーとコミュニケーションを取る時間を積極的につくり、互いにわかりあう努力をしました。所属するメンバーたちのそれぞれの立場の垣根をはずし、信頼しあう心が生まれ、少しずつ自分たちのいる「マリーンズって、なかなかいいね!」と思える人が増えてきた。そこでやっと、すべてのメンバーがチームのために何かをしたいと思い、自分にできることは何かをきちんと考えることができるようになったのです。
組織のリーダーは、業績そのものだけに捕らわれずに、メンバーが仕事にプライドを持てる環境を常に考えて実行していく器が必要です。そうすれば必ずメンバーが自分から高いレベルの仕事をしてくれるようになります。
観察から未来をつなげる!
 メンバーのモチベーションを上げるためには、どうしたらいいか?
そのひとつは『自分のボスはきちんと自分を見ている』と感じさせることです。僕は常日頃から、メンバーを観察することに多くの時間を費やします。グラウンド上だけのことに限りません。選手の様子を見るのは、廊下ですれ違ったときかもしれないし、食堂で一緒に何かを食べているときかもしれない。彼らが自信を持って気持ちよく毎日を過ごしているときは、それが行動に現れていますし、怪我をしたり迷いがあるときには、それも彼らの行動に見てとれます。その場合にはフォローが必要です。彼らが正しく練習しているかだけを見るのではなく、どういった気持ちで、どのような日常を過ごしているのかといったことまで。つまり全てを観察しているのです。
勝ち負けは二の次!
 勝った日には「明日もカチマショー」、負けた日には「次、明日ガンバリマショー」。よくこうメンバーには言葉をかけます。試合の勝ち負けと、選手の評価は別のもの。ときに運がなく、すばらしいプレーが得点に結びつかないこともあります。監督の立場なら、望まない結果が出たとしても、選手がその試合で自分の役割をきちんと果たすプレーができていたら、選手を励ますべきです。次に良い結果を出したいと考えるなら、技術があり良いプレーであったなら、負けでも選手のプレーを認め、次の機会を期待していることを伝える。そうしないとチームは強化できないし、良い結果を手に入れることもできないのです。
結果よりもプロセスを大事にする。失敗から学ぶことは多い。『負けないで出来る野球はない』というのが、僕の長い人生から学んだことです。チームが一丸となって戦っても、勝つことも負けることもあるのが野球。優勝チームでさえ試合の4割は負けるというのが事実です。何事も100%goodということはないのですから、完璧を求めなければ良いのです。勝者のメンタリティーとは、失敗を恐れないこと。これはビジネスの世界にも、置き換えることができますね。
 褒めること、それが監督の仕事です。どう褒めるのか?大げさにする必要はありません。成功したときには適切な方法で褒める。ときにうなずいたり、背中を叩いたりしつつ、良い仕事をしたと認める、それだけです。
逆の場合、良い結果が出せないとき、選手は自分のことを否定しがちです。その思いを取り除き、安心させてやるために、失敗したらそのプレーを指摘してやる。どのタイミングで指摘するかが、大切です。監督が望む結果を選手が出すためには、正しい指摘が必要なのです。
また、僕は監督として、活躍した選手だけではなく、チームメイトのミスを補う仕事をした選手にも声をかけます。数字にはならなくても、チームのために良い仕事をした選手を高く評価することはとても大事です。常に適正に褒め、適正な指摘をする。このことがチームの結束を呼び、個人の力が最大限にパワーアップされる源となるのです。
楽しみながら前進すること!
 どんな仕事も楽しんでやらなければ意味がない、と僕は考えます。仕事を楽しむことで、その仕事に対する意欲がさらに湧き、それが良い結果につながるからです。たとえ何か失敗したとしても、意欲があればまた前に進めるでしょう。
僕が再びマリーンズの監督を引き受けた当初は、試合中うまくいかないことへの批判や、マイナス思考がはびこり、多くの選手が、良いプレーをしたときにも、野球を楽しむことを忘れていました。ミスを恐れすぎていたためです。間違えなかったことは正しいことだと、思い込んでいたのかもしれません。でも、物事を間違えないように行うだけでは、成功は有り得ないのです。プロ同士が戦って、勝利を手に入れるための唯一の方法は、積極的になること。ためらいを捨てることです。
プレッシャーを楽しめる器に!
 僕は長い間野球の世界で生きてきて、選手としても監督としても、常にその試合でプレーすることそのものに最高の楽しみを見出しています。『勝ち負け』というのは、試合が終わったところで初めて決まるものですから、たとえどんなに緊迫した試合状況にあっても、試合中はその瞬間瞬間に最大の喜びを味わっているのです。
経験の浅い人にはなかなか難しいことかもしれませんが、とにかくプレーすること、競うことを心から楽しめたとき、プレッシャーはなくなります。そして、今までには出せなかった大きな力を発揮することができるようになるのです。僕はさまざまな経験を通して、そのことを理解していますが、残念ながら人に教えられないのが『経験』です。選手たちには監督である僕がそういう姿勢を持っているというのを見ながら、自分たち自身が体感してもらいたい。『エンジョイ・プレー』の本質を探り当ててほしいと切望しています。
全てのリーダーたちへ!
リーダーというのは何かひとつだけ重要な特質を持っている人ではありません。自分の考える理想的な方向にチームを動かそうと思えば、「理解力」、「観察力」、「決断力」といったものが全て必要になってきます。もし、自分がいる組織の中で新しい潮流を生み育みたいと考えたなら、まず、今ある大きな漠然とした環境の中に、小さな100万個もの具体的な問題点を見つけ、それを改善することが必要になります。僕に監督としての器量があるとすれば、そのための努力を惜しまなかったということでしょう。
一般に組織の長というものは、背負う責任は重く、孤独な存在です。けれどトップの決断をもとに、周りの人々が良い仕事をし、彼らが満足していれば、トップの座にいる人間もリラックスして成功を振り返ることができるのです。僕は選手たちが良いプレーをしてくれると、とても嬉しくなり満足できます。これが監督としての僕の楽しみなのです。
いまトップでいる人たちには、自分のやっていることを愛し、全力を傾けて欲しい。そして、人生の中で手にするだろう小さな成功の数々を、感謝の気持ちを持って受け止めて欲しいと思います。それが、部下を持つ全てのリーダーたちに僕が贈りたいメッセージです。 抜粋-富士通Website-
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