以前紹介した岩田社長のインタビュー。以前紹介インタビューは10章中の1章。本日は7章目。
全インタビューを読まれたい方は下記アドレスまで!
http://www.president-vision.com/index.php?state=backnumber&action=view&id=632
雇われ経営者、現”The Body Shop"社長!

増永】 “会社の変化”についてなにか印象深いエピソードがありましたら、教えてください。

忘れもしないのは、社長就任後、初めてお店のマネージャー会議の場で質問コーナーを設けたときのことです。以前は、社員からの質問もなく、会議は一方的に説明して終わっていたのですが、そのときは私から「なにか質問があれば、言ってください」と言ったんですね。

そのときに真っ先に手を挙げて「毎年毎年、今年こそは変わると言われていますが、本当に変わるのですか。これまでも同じようなことをさんざん本社の人は言ってきたにも関わらず、何も変わってきていないじゃないですか」と発言をしたマネージャーがいました。

この最初の質問をした彼女は、つい最近結婚をして赤ちゃんができたんですが、自宅近くにザ・ボディショップの店舗がオープンした時に、遊びに来てくれました。

そのとき彼女に聞いたんです。「あのいちばん最初の質問を私は忘れない。ただ、その後の2年間で、努力してきたつもりだけど、会社は変わりましたか?」と―すると彼女は「変わりました!」と、目を涙で潤ませて答えてくれました。

その顔を見て、私がこれまで注力してきたこと、つまりは会社としてきちんと現場を大切にしている、そんな想いや意識が少し社員に伝わったんだということを実感しました。
● 社員さんに想いを伝えるため、具体的に岩田社長はどのようなことをされたのですか。

そうですね、先ほど申し上げたように朝礼の話をすべて原稿にして同日中に配信したり、店舗のマネージャーが集まる「マネージャー会議」にも参加したりして、自分の思っていることを伝え、さらに参加者からの意見に耳を傾けること。

あとはさまざまな会議などがありますが、必ずそこに参加しているマネージャーから会議内容のフィードバックをもらうようにしていることです。

たとえば“社長の話はどうでしたか”といったことをアンケートとして聞きます。返答を読んでみると、けっこう耳が痛くなるようなことも書かれているんですよ。それらにきちんと目を通して、最終的にすべての質問に対して私が責任を持って答えています。

もちろんなかには、答えることの難しい内容もあります。けれど、きちんと答えられなくても、そうしようとする姿勢はおそらく伝わっているんだと思います。







まずは、私たちがお店のスタッフやマネージャーをエンターテイナーにすることです。





● ひとつひとつの意見にご自分で丁寧に答えていくのは、なかなか大変なことですよね。

はい、これが結構大変なんですよ。100人以上いますから、まずは、内容を全てまとめて意見と質問に分けます。質問に対しては、内容によって各担当者に割り振って答えを出してもらいます。

そして、その内容を自分の目で確かめていきます。一度、私のほうでもすべてチェックをして、さらに必要があればもう一度回答を加えていきます。

この作業をただひたすら、地道にコツコツと進めているのです。
● ほかにも御社独自のものがありましたら、教えてください。

変わったことでいえば、昨年から始めたことですけれども、決起大会で本部長たちがSMAPに扮して歌を歌ったことでしょうか(笑)。ちなみに今年はEXILEのパロディユニットを結成していました。悲鳴や黄色い声が上がるぐらいにみんなが喜んでいましたね。

そういうことを行なったことで、やはり会社の雰囲気が変わってきているように感じます。まずは、私たちがお店のスタッフやマネージャーをエンターテイナーにすることです。それに応えるかのように、みんなやってくれるんですよ(笑)。

あとはお店をできるだけ多く回るようにしています。こういうことの積み重ねが大切なんだと思っています。
【続く:7/10】
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